今回はジンバル界隈ではとても有名なDJIさんから出ていますDJI Ronin sc2で縦画面の動画撮影ができるのかについて書いて行こうかと思います。
私も映像クリエイターとしていろんな撮影をこのRonin sc2と共にこなしてきました。だからこそこのジンバルのいいところ悪いところというのがわかってきてしまったのです…。
購入したのはこれ
先に答えを言ってしまいますと…このRonin sc2で縦撮りは、対策さえすれば十分撮影は可能です!
その理由をこれから語っていきたいと思います。
a7sIIIが気になってる方はこちらも要チェック!
レンズによって厳しい理由
バランスによる問題
先ほど縦画面での撮影は、対策すれば十分可能という曖昧な言い方をしましたがその理由はレンズの重さで変わってくるからです。私はよくシグマさんの24-70mmf2.8artや14-24f2,8アートレンズを使用するのですが知ってる方はご存知の通りめちゃくちゃ重いんです…。
シグマ24-70f2.8artレンズは一本だけでおよそ800gの重量があります。
と思ったらこちらもamazonで出てこない…品薄なんだろうか。
DJI Ronin sc2の積載重量(ペイロード)は3kg。
私の環境ですとa7IIIとこのシグマ2470f2.8だけでおよそ1.2kgほどなので積載重量の問題はクリアしていますが、ズームした際前玉に重さが集中しているのでバランスという面で問題があります。
シグマ24-70f2.8artレンズはズームした時に前玉が出ないインナーズームタイプではないのでかなりズームした時としてない時で重心の位置が変わってしまいます。ジンバルは毎回ちゃんとバランス調整をしないとうまく動作してくれないので、重心の位置が変わってしまうと操作性に大きな影響を与えてしまいます。
横画面の時でもバランスが取れていないと電池が切れたかのように勝手にスリープモードに入りうまく動作しません。
特にインナーズームであればまだ操作しやすいかと思いますが私のようにシグマさんの2470f2.8のような重いレンズを使ってる人は要注意。これは縦画面や横画面特に関係なく前玉が重いと操作しづらいのは全てのジンバルに言える事でしょう。
DJI Ronin sc2は真ん中あたりから曲げる事ができるのですが、この形態にするとバランスがより前側になってしまうのでかなり腕が悲鳴をあげますw
ですので最初に申しましたとおりレンズの重さがこの問題の解決策となるでしょう。
少なくとも私のようにシグマさんの2470f2.8artのような重いレンズを使いたい方はもう一つ上のランクのDJI RS3を候補に入れておくと良いかもしれません。2022年6月24日に発売されたばかりの新しいジンバルです。
ちなみにRS3の積載重量(ペイロード)は4.5kg。
RSC2よりも1.5kg多いです。
前玉が重い場合、必然的にカメラを後ろにずらしてバランスをとるのですがそうするとアイピースがジンバルに干渉してしまいます。アイピースを写真のように拡張されている方は要注意です。
プレートのずれによる問題
前玉が重いとカメラ底面に装着しているマウントプレート(シュー)が重さに耐えきれず下にズレてきます。
これはRSC2の問題というよりもシューが重さに耐え切れていないのが原因かと思われます
このような問題点は以下の解決策で解決できる可能性があります。
解決策
単焦点レンズを使う
ズームをしない単焦点レンズならばこの問題はほとんど解決できます。
ズームレンズに比べて重量も軽いものがほとんどですので取り回しはスムーズに問題なくできるでしょう。
後述するSuperSmoothモードなら最大100mmレンズまでカバーできるそうです。
SuperSmoothモードを使う
super smoothモードとはRSC2の機能の一つ。(RS2や3にもついてます)
なぜかはわかりませんがこれ検索してもほとんど情報が出てこず私もこの記事を書くまで知らずに設定がオフになっていました。この機能を簡単に説明すると
「カメラの安定性が向上」するだけでなく、「最大焦点距離100mm」のレンズ使用時でも、「微細な動きを補正」するためわずかな振動も抑えてくれます。
https://www.dji.com/jp/rsc-2
とのこと。
トルクモーターが強くなる代わりにバッテリーの消費が激しくなるとかそんなところでしょうか?
先ほど言った通り記事がほとんどなくてそもそもそのsuper smoothモードというのはどこにあんねん!って感じだったのですがこちらの動画でわかりやすく説明されてました。
こんな機能あったのかと思い探してみたらありました。見つけたばかりなので効果の程はわかりませんが実際に使ってみたらまた更新しますね。
とりあえずこれで少しはレンズが重くてもカバーできるかもしれません。
※追記
実際にsuper smoothモードを使ってみました。
通常のモードよりも力強くメリハリのある動きになりました。が、やはり縦にすると前玉の重みに耐えきれずシューがズレてしまいました。
これはsuper smoothモードの問題というよりかはシューが重みに耐えきれていない物理的な問題かと思います。
以下のアタッチメントを使うことで問題解決しました。
アタッチメントを使う
L型プレート(L型ブラケット)
L型プレート(L型ブラケットなど呼び方はいろいろあります)とはカメラ底面のネジ穴に付けることで三脚を使う際に取り回しがしやすくなったり、ジンバルなど使用時に拡張性を上げてくれるものなどかなり有能なやつです。こんなの。
他にもいろんなタイプがあります。
非常に便利なので私はずっとつけてます。アルカスイス互換のものならなんにでも合いますし男性の方にありがちなカメラを握った時の小指余りも解消できるものもあります。カメラシューを常につけてる方ならその代わりにもなるわけなので単純に上位互換なイメージです。見た目もかなりカッコ良くなりますしね!
写真のL型プレートはアルカスイス互換で小指余りも解消、各アタッチメント増設のための1/4ネジも備えてあります。
なぜL型プレートがジンバル撮影に活かせるのかというと上の写真のようにプレートは横位置のままで縦に変更するという使い方ができるからです。
本来RSC2での縦動画撮影はポートレートモードというモードにする必要があります。
こうなるとレンズが上を向くので武士のような構えをしないと正面を撮ることが出来ません。
そのため真ん中から折り畳むことで正面へ向けることができるのですがそうなると腕への負担が大きく、さらに前玉の重さからシューもずれてしまいます。
その問題を丸々解決してくれるのがL型プレートです。
なぜなら横位置と同じスタイルで縦にすることができることからポートレートモードにする必要もなく、シュー(L型プレート)がずれるということも考えにくいからです。
デメリットとしては左側面が下になるので端子が接続しにくいというところでしょうか。
二層型回転リングATOLL
二層型回転リングATOLLとはこれまでのL型プレートとは全く違った新しい形のアタッチメントです。
記事書きました
上記の場合横から縦に変更したい場合は必ず一度取り外してから取り付ける必要がありました。しかしこのATOLLはカメラを回転させるだけで縦横スムーズな移動が可能となります。
※最新情報追記実際に使ってみたところ現状だとジンバルでの使用は難しい可能性があります。
少なくともDJI RSC2では取り付けはできなそうでしたのでご注意ください。
様々な使い方を模索したところかなり実用性の高い使用方法がわかりました。
ジンバルから外さずとも縦と横両方の撮影ができ、まず買って間違いないと言えます。
詳細はまた追って別の記事で紹介します。
クラファンでの目標金額が50万に対して集まった額はなんと2千万というとんでもなく人気のアタッチメントです。
現在はこちらのクラファンでの購入はできないようですが欧米のクラウドファンディングサイトKICKSTARTERにて購入が可能とのこと。
※追記
いつの間にか似たようなものがAmazonで販売されてました。
およそATOLLの半額以下で購入できるのでご自身のカメラに合いそうでしたらこちらもご検討ください。
装着したまま縦と横を変更できることから通常のL型プレートよりも使い勝手はかなり高いと思われます。
ちなみにこれを購入した友人がいるのですが現在(2022/10/05)の時点でまだ届いておらず、何度も延期になっているそう。延期理由は中国工場の品質が悪いかららしいです…。クラウドファンディングはこのようなことがよくあるらしいのでみなさんも十分気をつけてください。
※2022/11/25 追記
ご友人にATOLLが届いたらしいので早速見せてもらいました!
底面を見ていただくとわかるのですが、カメラ本体下のプレートとレンズ側のプレート間に隙間がないのでジンバル側のプレートに取り付けできず、レンズ側のプレートも形が縦長いので取り付けできませんでした。
※追記
シューを間に挟むことで取り付けできました。
簡単な使用感としてはやはり縦と横へのスムーズな切り替えが便利です。
しかし気になる点がいくつかあり
- 結構かさばる
- 取り付けがそこそこ面倒
- プレートが限定される(L型プレートなど取り付け不可)
などが気になりました。
詳しい使用感などはまた後日記事にしようかと思います。
アタッチメントを使う際の注意事項
ここまでL型プレートやATOLLを紹介してきましたが、一つだけ注意事項があります。
それはRSC2のプレートがアルカスイス互換ではないということです。
公式ではアルカスイス対応と書いてありますが私の持っていたL型プレートでは取り付けができませんでした。
…なんでなん…なんでそこで専用のプレート出してきたんDJIさん…。
こう嘆かずにはいられないのですが、そうなんです。DJIさんのプレートはアルカスイスに対応していないDJI専用プレートなので当然アルカスイス対応のL型プレートやATOLLを持っていても装着できません。
私も泣く泣くL型プレートを外して専用シューをつけておりました。
もちろん必要な時はシューを外してL型プレートを装着するなどしておりましたが…
めんどくさいわっっっ!
まあ当然こうなるわけで、それを改善するにはDJI専用プレートをアルカスイス互換に対応したものに変更することで解消できました。
またこんなとこで出費が嵩張るのかという気持ちにならんでもないですがわりかし安い金額なのが救いでしょう。
これでアルカスイス互換のプレートやシューを付けることができるようになりました。
※L型プレートは片方からしかスライドできないためスライドさせてはめようとするとめんどくさいです。
上記のクイックリリースプレートは緩めればL型プレートのスライド部分が全部入るので、あとは上から置いて締めるだけで装着する事ができます。
カメラストラップ
こちらも結構大事な要素の一つでしたので紹介しておきます。
ジンバルを使う際には必ずカメラストラップは外しておく必要があります。
理由は重心が変わったり取り回しがしづらかったりして撮影に大きく影響してくるからです。
多くの方はカメラを購入したときについているカメラメーカーさんのストラップをつけているかと思いますが、それらは都度外すということを想定されていないため非常に取り外しが面倒です。
ちなみにソニーさんの純正ストラップも無くしたので昔使ってたキャノンさんのストラップで代用してました笑
映像表現をするにあたって手ブレが逆にいい味を出したり、状況次第ではジンバルが使えない状況で滑らかな映像を撮りたい時が出てくるかもしれません。そうでなくても写真と映像をうまく使い分けて撮影したいと思う方が多いかと思います。
そんな時に活躍するのがこのようなカメラストラップ
これで簡単にカメラストラップとボディの取り外しが行えます。
首にかけて使うネックストラップだけでなく手首に付けられるハンドストラップもついてくるのが嬉しい。
私はこのストラップを購入してはや一年ほど過ぎましたが問題なく使用できております。
一個無くしてしまい追加で買ってしまったほどです。
値段が値段なので若干ストラップ部分がツルツルテカテカなのが気になりますが…笑。あとは私みたいにジンバルと通常の撮影をしているとしょっちゅう取り外しを行うので、外したままそこに置いて無くしちゃったということがないように気をつけてくださいね。
この手の有名どころだと他はやはりピークデザインさんですね。
お値段高めですがそれなりのものなので良いものが欲しい方はこちらも検討してみてください。
プレゼントにもおすすめですよ(私も欲しいけど安いやつで事足りるから意外と買わないんですよね)
注意点として、ストラップは取り外しができますがボディ側にはストラップと結ぶ丸いやつがついたままです。ですので風が強い日や揺れが激しいとボディにぶつかってカチカチといった音が入る場合があります。音も録りたい場合は注意してください。
インナーズームタイプのレンズを使う
今回ジンバル撮影においてズームレンズを使うことが非常に難しいと言っている大きな理由の一つがズームした際に起こる重心移動です。
これはズームした時に前玉が前面に繰り出されることから起こるものなのですが、中にはこの前玉が動かないインナーズームと呼ばれるレンズがあります。
↓タムロンさんの17-28f2.8のこちらのレンズもインナーズームレンズになります。
こういったレンズを使えばズームをしても前玉が出ないためバランスが取りやすく、ジンバル撮影も安定するでしょう。
インナーズームタイプのレンズが気になる方はこちらもチェック!
PRO COMBOかそうでないか(ローランド風)
DJI RSC2はPRO COMBOという、ケースや映像トランスミッターと呼ばれるスマホと接続するためのアタッチメントがついているものと、RSC2単体のみの2通りで販売されています。
こちらは単品のほう
私は万年金欠なので単体で購入しましたが、ぶっちゃけちょっと後悔しています。値段が1万ちょっとしか変わらないのにやれることの幅がかなり違ってきますし、いくらコンパクトと言ってもやはりジンバル一つをカメラバッグに入れることはほぼ不可能です。(他のアイテムをなくせば入るかもしれませんが)
私はとりあえずカメラバッグの横についてるペットボトル入れあたりに装着してたら車に当ててしまい傷をつけてしまいました…。(これマジで歩く時とかも危険なので絶対やめた方がいいです)
はいもうこの時点でコンボの方買っておけばこんなことにはならなかったので私としてはPRO COMBOを購入することを強くお勧めします。うん。結局サードパーティのモニターも買っちゃてるしね。
Feel worldさんの外部モニター。コスパも良くてオススメ。
それならコンボの映像トランスミッター使った方がスマホやiPadと連携できてめちゃ汎用性高いしね。
後々のこと考えるとマジでCOMBOオススメ。
※2023/05/14現在RSC2コンボの新品は販売されてませんでした…RS2PROコンボなら販売されてました。
まとめ
ジンバル、DJI RSC2は非常にいいジンバルです。
さまざまな撮影で力を発揮してくれるのは間違い無いでしょう。
今回紹介した方法であればこのRSC2でもかなり安定した撮影ができるかと思います。
ぜひ皆さんもジンバルを使ったシネマティックな映像など挑戦してみてくださいね!
私のインスタやYouTubeではこのジンバルを使った動画がいくつか上がってますのでそちらも参考にしてみてください。